――――ギュッ


…え?


気付いたときには。


もう私は、直樹の胸の中にすっぽりと収まっていた。


「―っ…な、なな何ぃぃぃい!?」


「いいから」


いいから…じゃない!!


いきなり抱き着かれて、平常心保てるやつなんかいるかっ!!


さすがにいきなりは反則すぎる。


かなりの音立てて動く心臓。


今でも叩いてやりたいけど、身体が言うことを聞いてくれない。


しばらくして、また直樹は私から離れる。


「これも大丈夫」


また、何かに納得するように頷く。


もう、さっきから何なの?


「直樹!さっきからな…きゃあっ!!」


直樹は、星蘭をベッドへと押し倒した。


私の視界は天井に。


そして、直樹の顔。


な、なななななっ!!


「だから、気にすんなって言ってんだろ」


そう言う直樹の瞳から、目が離せない。