「どうかしら?3年間付き合ってたんだから、秘密の一つぐらい知ってるわよ」


勝ち誇ったように微笑む私。


政也からしたら、今の私はすっごい嫌なやつかもしれない。


結局、これ。


一種のちょっとした脅しだしね。


「なっ…と、とりあえず―…俺はおいとまするわ」


核心を突かれたような顔をしながら、私の横を逃げるように通りすぎていく。


私は、振り返ることもなくドアの閉まる音を待った。


―パタンッ


この音が聞こえた瞬間、全身の緊張が解れたのが感じとれた。


それと同時に、大きなため息も。


変な空気も、涼しげに吹く風が運んでくれた。


「…とりあえず。ご飯、食べよっか」


私の一言で、座ってやっと昼ご飯。


昼休みは、まだ十分にある。


さっきの時間は、長いようで短い時間だったみたい。