2人の間じゃなく、もう4人の間に変な空気が漂う。


「ど、どういうこと…」


理解がついていってないみたいで。


そりゃそうだ。


いきなり、私がキスできないって言われたらびっくりする。


政也と別れた理由の真実は、誰にも言っていない。


もちろん、同じ中学校の親友の莉子にでさえね。


聞かれたけど、適当に誤魔化してた。


だから、混乱する。


要するに、親友にでさえ隠していたキス恐怖症が今バレた。


政也や直樹が知っていて、莉子は知らない状況がおかしい。


「えっと…それは―…」


もう、私もパニック。


何を言えばいいのか。


考えれば考えるほど、出てこなくて。


手ばかり激しく動いてる。


その横では、直樹が政也を睨んでいた。