― 星蘭 side ―


屋上のドアの前についた。


私が一番前にいたから、3人で話しながらドアを開けた。


…涼しい風が、一気に校舎内に吹き込んでくる。


顔にかかった乱れた髪を、耳にかけた。


すると、私の視界の少し先に誰かがいた。


ただの別に関わりのない人。


そう思った…いや思えたのは一瞬だけ。


私の気分は、最高から最低へと急降下。


「…なんでいるの…」


足が固まって、屋上へと踏み入れられない。


私の後ろでは、莉子と直樹が楽しそうに話している。


そんな私に気づいていない様子。


この時、ドアを閉めればよかった。


その考えが思いつく前に、ドアの開く音に気付いたあいつが後ろを振り返った。


そして、最悪なことに。


目が合ってしまったんだ。