生徒玄関で、上靴に履きかえる。


「そんじゃ、あとでな」


「うん。またあとで」


それだけ言葉を交わして、お互いの教室へと歩いていく。


私はいつもの階段を登り、廊下をあるいて、教室の前へ。


「おはよう」


そう言いながら、教室に足を踏み入れた瞬間。


「星蘭おっはよー!!」


「うわっ!!…びっくりした―…」


登校してきた莉子が後ろから飛びついてきた。


「あはは、ごめん、ごめん!!」


笑いながら、私の横を通って教室に入る。


昨日宣言したけど、特に変わった様子はない。


少しホっとする。


クラスが違う分、1日中直樹と一緒ってわけじゃないから、余裕ができる。


私も莉子のあとに続いて、自分の席についた。