「あ!そっかー。2人は付き合ってるんだもんね」


一緒に帰れないなら言ってよ~、なんて言う。


いやいや!


ちょっと待って!!


約束なんてしてない!!


帰るつもりなんて一切ない。


私はあいつを指差す。


「莉子!私、これと帰るつもりなんて全然な…っんーんっ!!!!」


この言葉に、神谷が星蘭の口を手で素早く覆う。


そして、口は星蘭の後ろからの耳もとへ。


「おい!俺らは付き合ってるんだぞ、一応」


神谷は、莉子や周りにいる人に聞こえないように小さい声で話す。


が、星蘭は普通に。


「あのね…私はあなたと付き合った覚えはな「これ以上変なこと言ったら、"あのこと"バラすから」


「なっ…」


私が上を向いて神谷直樹の顔を見ると、にこっと笑っていた。


別にいいんだぜ、バラしても、みたいな顔。


それがなんか怖い。


何を企んでるのかわからない感じで。