「どうせ私のことなんてなんとも思ってないんでしょ!」


「星蘭…」


切ない声が耳元で聞こえた。


でもスイッチが入ってしまった以上。


自分では止められない。


色々なものが溢れだしてくる。


「好きな人いるんだもんね!!私はただのフリの彼女だもんね!!」


この言葉を言ったあと、私は直樹に片腕をいっぱられてくるりと一回転。


そして。










「んっ―…」


――――私の口を塞ぐかのように唇を重ねた。


優しいキスで長かったのか短かったのか。


でも、自分自身を取り戻すきっかけにはなった。


唇が離れると私は一言も話さない、いや話せないというほうが正しいのか。


その代わり。


次は"直樹の番"だということは、言わなくてもわかったこと。