花火が始まり、一回遮られているので。


なんだか話しにくい。


どうしよう―…。


黙り込んでしまう私。


それでも花火は私たちを待つことなく上がっていく。


「…先、花火見る?」


そう先頭をきったのは、また直樹だった。


花火の音でちょっと聞き取りずらかったが、大丈夫だった。


私は、こくりと頷き目線を花火に向けた。


「本当に綺麗―…」


大きくてカラフルで夜空一面に光輝く花火。


そう目に映る光景は本当に美しくて。


見る者を虜にする。


「あ!あれ、にこちゃんマークだっ」


「ん?そんなのあったか?」


「あったよ!あ、ほら!また上がったー!」


私、かなり興奮気味。


好きな人と一緒に同じものを見れて。


一緒にいれて。


私って、今、本当に幸せものだ。