「ううん。直樹のおかげでね、私、キスができない原因わかったんだ」


その言葉で、直樹が驚いた様子でこちらを向き、しっかりと瞳があった。


――――…きた。


ここまできたら、もう後戻りなんてできない。


どうなっても。


どんな結果になっても。


私は心の中で少し気合いを入れる。


……よし、言おう。


自分のためにも。


直樹のためにも。


「あのね」


私は大きく息を吸って、呼吸を整えた。


「キスできない原因は…」ヒュルルル―…バーン!!


私の声を、夜空に綺麗に咲いた花火が遮る。


大きな音を出して光輝く花火。


まるで…――――――。