「俺さ」


私が口を開こうとしたが、微妙な差で直樹が先に声を出した。


「本当に役に立ててないよな」


「え!?そんなことない!」


「言い始めたのは俺なのに―…」


息が抜けて、肩がかくんと落ちた。


たとえ。


たとえ、言い始めが直樹からだったとしても。


言わせた原因は私にあるわけで。


自分自身で解決するのは当たり前。


それが正しい。


でも。


直樹が治すといってくれなければ、私は治そうともしなかったよ?


治す必要さえなかった。


それを治そう、治したいと思ったのは。





――――直樹と一緒にいたいと思ったからなんだから。