お祭りを楽しんだ後。


私たちは、学校へと移動した。


もちろん休日に学校が開いているわけがないのだが。


その代わり、休日のため先生や管理人が帰るのは早い。


だから、誰もいない。


直樹に校門を乗り越えてもらい、校門自体を開けてもらう。


さすがに浴衣姿で乗り越えるは無理があるので。


夜の学校はいつもの雰囲気とは違い、静まり返り何が出てきてもおかしくない。


怖いので、直樹にしがみついて中に入る。


直樹の身体も硬直しているように感じたのだけれど。


それは怖いから?


それとも――――…?


……なんて考えが良すぎるか!、と自分自身に突っ込む。


そう考えている間に。


直樹がドアに手をかけ、勢いよくあけた。


「着いたな」


「やっぱり屋上は気持ちいいよね」


私はんーっ、と手を伸ばして背筋を伸ばす。


花火を見るため、学校の屋上にやってきました。


絶対綺麗に見えるから、って直樹に言われて。


「学校に侵入するなんて見つかったらどうするのよ」って止めたにも関わらず。


大丈夫、大丈夫なんて根拠のないこと。


まあ結局、屋上に来てしまった以上、同罪だ。