つられて、自分から聞いた私も赤くなっていく。


また喋れなくなる。


でもそれは一瞬だけだった。


「……――ってる」


「…え?」


「似合ってるよ…浴衣姿」


もちろん、視線は合わせてくれなかったけど。


その言葉は、私の心に。


甘く、とても甘く甘く溶け込んだ。


やっぱり。


私は直樹のことが―――。


そう改めて感じる。


それと同時に、離れたくない。


そう思った瞬間でもあった。