私は頑張って真顔に戻し、顔を上げた。


「そっか…大丈夫!神谷くんなら大丈夫!」


「なんだよ、それ」


と、苦笑い。


私は、星蘭は神谷くんが好きだということは言わない。


これは面白い面白くないの問題じゃなくて。


2人の問題。


私に入る隙間はない。


だから。


知っていても、ただ頑張れと応援するのみ。


それしか私にできることしかない。


背中を後押しする。


それが唯一私のできること。


「嘘じゃないよ?」


「お世辞をどうも」


「お世辞じゃないよー!勇気出せば、叶うよ」


私は神谷くんの肩をぽんと叩く。


そして鞄を取り、じゃあねとだけ残し一人教室を出た。