神谷直樹の目線の先は。


…A組の教室!?


戻し…なわけないか。


"来い"って言われたし。


じゃあ、何しに―…。


空き教室から数十秒だから、あまり考えることなくA組の前に到着。


「神谷くん。離して。もういいでしょ?」


私の言葉は呆気なく無視された。


私と神谷直樹が戻ってきたせいで、落ち着いていた教室がまたざわめく。


そんな中、あの男はわざわざここで宣言したんだ。


「えっ!?」


私は手をぐいっと引かれ、身体が神谷直樹と密着。


そして、もう片方の手で私を指差しながら。


「これ、俺の彼女だから手出し禁止ね」


と。