「単刀直入にいうけど―…」


私は机を降り、神谷くんの目の前までゆっくり歩く。


しっかり顔をあげて神谷くんの瞳を見た。


「…頑張れ!うん!」


「……は?」


私はうんうん、と何度も頷くのみ。


「いきなり頑張れって何だよ!?」


「だーかーら!星蘭と色々頑張りなさいってことよ!」


「―…っつか、なんで野々宮に励まされなきゃなんねーんだよ」


顔をしかめる。


「え?だって、星蘭と神谷くんの間にいるのって私でしょ?」


「…」


「とりあえず、色々頑張りなーさーいっ!」


神谷くんの肩にぽんと手を起き、納得させるがのごとく、また頭を上下に振る私。


「色々って―…」


「具体的にいったほうがいい―?」


とからかいにかかかる。


「いや―…わかってる。わかってるから言うな、色んな意味で恥ずかしい」


私が言いたいこと。


率直にまとめると、"男なんだから、さっさと星蘭に告白しなさい"


ちゃんと神谷くんもわかってるみたい。


このままあやふやな関係で夏休みを迎えるなんて―…。


もったいない。


せっかく好き同士なのに。


なんで、お互い告白しないんだろうか。


もしかして、何か理由がある?