私が先導して歩き、近くの誰もいない教室へと入る。


聞こえるのは部活をしている音のみ。


適当な位置の机にちょこんと腰掛けた。


離れて神谷くんも。


「でっ―…話って?」


「もちろん星蘭のことに決まってるじゃんっ」


となぜかドヤ顔になってしまう私。


「それはわかってる…はっ…もしかしてなんかあったのか!?」


身を乗り出す神谷くん。


がたがたと机が揺れる。


そのとき、直樹の携帯が教室中に響いた。


制服のポケットから携帯を取り出す。


「あ、多分星蘭からだと思うよ!」


確認すると紛れもなく星蘭からのメール。


もちろん、私が言った通り、無事に家路に着いたというメールだった。


それに安心し、落ち着きを取り戻す神谷くん。


なんだか。


お互い思い合って。


でも、本当に付き合ってるわけじゃないって。


どうなんだろう。


多分、お互い遠慮しあっているから今に至ってる。


二人の気持ちを知っているのは私だけ。


これは私がなんとかするしかないでしょう!