― 莉子 side ―


星蘭を無理矢理帰らせて向かったところ。


早足でもと来た道を戻る。


友達にすれ違い、学校戻るの?、と声をかけられるが。


うんちょっと忘れもの!、と笑い手を振りながら足を止めることなく進める。


そう。


私は学校に戻っている。


もちろん、忘れものなんかではない。


話したいことができたからというのが用事である。


ある人物の下駄箱を覗きにいく。


「…よし、まだいる」


それだけ確認すると、私はその近くの壁にもたれかかり。


その人物が来るまで、携帯をいじりながら待った。


いや、正しくは待とうとした。


「え」


その声に私は携帯から顔をあげた。


「あ、委員会お疲れ様ーっ」


「…なんで野々宮がここに…ってかあいつは!?一緒に帰ったんじゃ―…」


「うん、駅まで帰ったよ?ちょっと神谷くんに話したいことがあって戻ってきた」


そう。


私の用事の相手は神谷くん。


委員会が終わるころだと察していた。