「結局…どういうこと?」


莉子の頭のハテナが増え、首を傾げた。


「私がキスできなかった原因は―…」


「う、うん―…」


莉子は息をごくりと呑む。


私は心を落ち着かせ、ふぅと一呼吸おき。















「"安心感"…なんだと思う」


そう静かに言った。


「安心感?」


「うん、安心感。私が恐怖症になった原因は、キスに対する恐怖感があったからなわけじゃない?」


「だからその逆で安心感…か―…」


「そう、その逆…ってことでもないけど、そんな感じ」


頭をフル回転させ、なるほど…ね、と小さく首を縦に振って納得。