――――――…


揺れが止まった。


それと同時に時も一瞬止まった。


「大丈夫、俺がついてるから」


優しい声がほぼ耳元から聞こえる。


私はというと。


バランスを崩して、ぎゅっと直樹にしがみついていた。


我に返ったとき、そのことに気付いて。


頬や身体が熱くなって。


身体を直樹から勢いよく離そうとする。


「ご、ごめ「星蘭」


そう名前を呼ばれ、離れようとする私を引き止め。


ぎゅっと抱きしめた。


直樹の熱を直接感じる。


さらに私の身体は熱くなっていく。


私を抱きしめる腕の強い力が男だということを認識させる。


「…もうちょっとこのままでいていい…?」


そんな甘える直樹を見たのは初めてで。


でもそれがなんだか嬉しくて。

私はうん、と頷くほかなかった。





観覧車はもうすぐ一周を終える間近だった。