そんな心の中の希望は虚しく。


「…わかった」


小さい声で言う神谷。


なら…。


「わかったなら、もう出「俺が…俺が治してやる」


「…え?」


…今、なんて言った?


「だーかーら!そのキス恐怖症、俺が治してやるっつってんの」


2回も言わせんなよな、なんていいながらも、やわらかい表情をしていた。


この人が、私のキス恐怖症を治す…?


でも…。


「同情でしょ?いいよ、別に」


優しい言葉に反論してしまう私。


「同情じゃねーよ」


「それに、治すってことは、キスするってことでしょ?」


「当たり前だろ。キスを恐くなくなるようにするわけだからな」


「仮に、キス出来たとしても、付き合ってもない人とキスなんて嫌だもん」


キスは…好きな人とするもの。


それを、その辺の誰かさんとなんて…。


治すためとはいえ、ちょっと…ね。


でも。


この男は…。