しばらくすると。
「…なあ兄貴」
頑なに話さなかった春樹がようやく言葉を発する。
だが。
視線は逸らしたままだ。
「俺、兄貴らの関係がわかっちゃった―…」
「どういう関係?」
「やっぱり付き合ってねーんだろ?」
そういうと顔を上げ、俺の視線にあわせた。
……核心を突かれた。
いや、まだキス恐怖症のことまでは―…。
「それに、星蘭さん。キスに何か嫌な思い出でもあるわけ?ああなったの、俺のせいでしょ」
と言っている間に、やはり勘づかれているみたい。
ここまで来るとわからなくなってくる。
怪しまれながらも、嘘を突き通すべきか。
それとも。
黙らせる覚悟で話してしまうのか。
どちらも良い方法ではない。
でも。
春樹にここまで勘づかれて。
黙らせることなく、そのままにしておくほうが。
最も危険なのかもしれない。
「…なあ兄貴」
頑なに話さなかった春樹がようやく言葉を発する。
だが。
視線は逸らしたままだ。
「俺、兄貴らの関係がわかっちゃった―…」
「どういう関係?」
「やっぱり付き合ってねーんだろ?」
そういうと顔を上げ、俺の視線にあわせた。
……核心を突かれた。
いや、まだキス恐怖症のことまでは―…。
「それに、星蘭さん。キスに何か嫌な思い出でもあるわけ?ああなったの、俺のせいでしょ」
と言っている間に、やはり勘づかれているみたい。
ここまで来るとわからなくなってくる。
怪しまれながらも、嘘を突き通すべきか。
それとも。
黙らせる覚悟で話してしまうのか。
どちらも良い方法ではない。
でも。
春樹にここまで勘づかれて。
黙らせることなく、そのままにしておくほうが。
最も危険なのかもしれない。