注目の的だった私たちは。


とりあえず、その場を移動し、私はベンチに腰を降ろした。


その前に、神谷兄弟が立ち並ぶ。


4人の間に異様な空気が漂う。


この空気が痛く突き刺さるような感覚に襲われた。


そんな中、お兄さんが口を開く。


樹「直ちゃん、なんで遊園地にいるって分かったのー?」


直「GPSだよ、GPS」


樹「僕たち、GPSで探知されないように携帯の電源切ってたんだよ?」


直「あー、森さん(運転手)の携帯を探知したから」


なるほど!、と一人で可愛く納得するお兄さんに対し。


機嫌の悪い直樹に。


まだ一言も声を出さない春樹くん。


……私のせいだ。


何もかも全部私のせいだ。


私がお兄さんの手を振り切っていれば。


車を乗るときに足掻けば。


直樹に黙っておこうと思わなければ。


キス恐怖症じゃなかったら。


――こんなことにはならなかったのに。


なんでだろう。


なぜ、キス恐怖症は最近私の邪魔ばかりするのかな?