直樹はいきなり立ち上がったかと思うと。


「春樹!てめぇ…っ」


春樹くんの胸倉を掴み、殴りかかりそうな雰囲気を醸し出していた。


そんな私たち4人は注目のまとになっていて。


とりあえず、殴りそうな直樹を止めなくちゃ。


「直樹…っ!」


私は喉を振り絞る。


「大丈夫…だか…ら…っ」


掠れた声で呟いた。


私の言葉で、胸倉を掴んでいた手をゆっくり離すが。


直樹の怒りに満ちた顔と状況が判断できていない春樹くんの顔が変わるわけではなかった。


直樹の代わりに背中をさすってくれるお兄さん。


「まだ酔ってるのに走っちゃったからかなー?」


そう勘違い。


それは今の状況からすると有り難いことで。


問題は。


春樹くんにどう言い訳をするかだ。