私の中の時は止まるどころか巻き戻し。


また。


まただ。


最近思い出すことのなかったあの記憶が。


走馬灯のように蘇る。


「いやぁ…っ」


私は、春樹くんの胸を思いっきり押しのけ。


気づけば、脚は落ちるかのように崩れていた。


「星蘭!!!」


追い付いた直樹が側に寄り添う。


…なんで?


最近思い出すことはなかった。


なのに、なぜ今になって?


「…星蘭…さん?」


まさかの事態に棒立ちの春樹くん。


春樹くんからしたらキスをしただけ。


ところが、私は崩れさった。


ああ。


これでバレてしまった。


「星蘭ちゃん!どうしたの!?」


私のもとに駆け寄ってきた。


先を行っていたお兄さんは今の状況を知らない。