私は缶を開け、紅茶に口をつけた。


「星蘭さん」


「…ん?何?」


飲み物を口にしたおかげで、気持ち悪さがマシになった。


「兄貴に俺らに会うなとか言い聞かされてないー?」


「え!?」


「言われてるでしょ?」


「い、いいい言われて、な、なないよっ!ね!うん!」


勝手に肯定した私は勢いよく紅茶を飲む。


バレてる―…。


そりゃそうか。


ファミレスの私と違いすぎる。


それに今の噛み噛みの返答。


うんと言ったようなものだ。


「まあ、今こうやって会ってるわけだし。どっちでもいいんだけどねー」


といいながら、脚を組みながら缶ジュースを飲む。


……これは白状すべきなのか?


いや、でも白状したら開き直ってるみたいで。


「星蘭ちゃんはさ」


私は、お兄さんのほうに顔を向けた。


「直ちゃんのどこが好きなのー?」


「え…えーっ!!」


まさかの質問に驚くしかない私。


どこが好き?


どこなんだろうか。


一度も考えたこともない内容に答えがなかなか言い出せなかった。