どうすることもできないので、大人しくしていると。


「到着致しました」


運転手の声に反応し、私は窓の外を見た。


今にも身震いしそうなジェットコースターに。


大きな円を描く観覧車。


……ということは。


「…遊園地?」


「そう!星蘭ちゃん、一緒に楽しもう?ね!?」


…お兄さん。


子どもみたいに目がキラキラしてる。


「来ちゃった訳だし、楽しまなきゃ損じゃないですかー?」


と、春樹くんも声を弾ませながらシートベルトを外し、ドアを開けて外に出た。


どうしたらいいのか、ますますわからない状況で。


私とお兄さんも車から出た。


「あーっ!僕、すっごく楽しみなんだよね!!」


「私―…帰ります」


2人から離れようとした瞬間。


「ほら、星蘭さん行くよー」


「え、あ、春樹くん―…っ!」


私は春樹くん手を繋がれ、引っ張られていく。


「あー!!春ちゃんだけずるいーっ」


もう完全に2人のペース。


会わない、話さない、関わらないって決めてたのに。


何だろう。


心なしか落ち着くこの感じは―…。