「…やらなきゃ…」


「…?」


「私、やっぱり治さなくちゃならない」


私はスカートの裾をぎゅっと握った。


その拳に決心を表すように。


そんな私を見て。


「星蘭…変わったな」


「え?」


少し強張った顔をしていた政也の表情が晴れていくのが見てわかる。


「俺らが付き合ってたときは、まだまだ子どもの恋だったんだよ」


「子どもの…恋…?」


「ああ。お互い好き同士だったけど、相手のためにとかなかったよな」


今思い返してみれば、政也の言ってる通りなのかもしれない。


政也のために何かするなんてなかった。


ただ、一緒にいるだけ。


でも、それで充分楽しかったし幸せだった。