強気な私に開き直る政也。


「はっ、後悔なんかしねーし!」


「さあね?ま、政也にはもう"キスできない女"なんて言わせないってこと」


絶対言わせない。


そして。


見返してやる。


なんか復讐みたいに聞こえるかもしれない。


けど違う。


ただ。


政也のことを引きずらないためにも。


自分自身、けじめをつけておきたいんだ。


そして。


新たな恋ができるように――。


「っつーか!もう別れたんだから、関係ねーし」


「そうね。ただ、私が見返したいだけだから」


また私は、にこっと笑った。


おそらく。


私の言葉よりも。


この何も反論させようとしない笑顔が。


何よりも怖いと思う。