「ど、どうせ!口だけなんだろ」


「ううん。口だけじゃないよ。それは、私のほうだった」


私が動かないと。


治したいなら。


ちゃんと治したいなら、自分が頑張らないと。


直樹に頼るのはよくない。


本当は。


キス恐怖症を治したいって思うきっかけをつくってくれただけで充分。


あとは、自分の強い意志が必要になってくる。


やらなくちゃ。


絶対にやらなくちゃ。


私はぎゅっと拳を握った。


「私、治すから。絶対治す。そして…」


私は、政也の目をしっかり見て。


「私と別れたこと、後悔させてあげるんだから」


そういい、自信満々に口角をきゅっと上げた。