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屋上には私たち2人だけ。


今日は風が強いのか、髪が激しくなびく。


今の私と政也の関係を表すかのようだ。


私はそんな髪を耳にかける。


「…で」


後ろに向いていた政也が、私のほうを向いた。


「元彼の俺に何の用?」


前に屋上で会ったときの私とは違う。


逃げたりなんかしない。


「そう。ちょっと言っておきたいことがあって」


「"言っておきたいこと"?」


頭にハテナを浮かべる政也。


そりゃそうだ。


私だって、もう関わることも話すこともないと思っていたんだから。


でも。


自分が前に進むためにも。


話しておきたいんだ。