…ちょっと待って。


私は首をまた元に戻す。


若干、身体硬直。


今、私を見て"みーつけた"って言った?


クラスの中を歩く神谷。


そして。


いきなり肩を捕まれ。


「なっ…」


何か振り向きたくないけど、勝手に首が動く。


振り返ってみた顔は。


「やっと見つけた。白羽星蘭」


また、にこりと笑っていた。


…やっぱり私!?


「ねえ、君のお友達、借りてってもいい?」


神谷直樹を前にしている莉子の目はもうキラキラしていて。


「は、はいっ!!好きなようにしちゃってくださいっ」


正確な判断が出来ていない!!


「ありがとう」


その笑顔に、莉子はとろけてる。


「え!?ちょっと…っ」


私は腕をしっかりと捕まれ、神谷直樹に引っ張られる。


「いいから来い」


「はあ?離してっ…莉子~助けてぇぇえ!!」


なんて言っても、助けてくれるはずもなく。


私と神谷直樹は、教室をあとにした。