―――那智、約束だ。


―――約束?


―――ずーっと俺等は一緒だってこと。
俺等、同じ血が流れてるんだ。

心から信用できるのはお互いに兄弟しかいねぇんだし。


分かるか? この意味。


―――うーん…難しいです。
おれ、兄さま大好きですよ?


―――あー…、那智には難しかったか。
んじゃ分かりやすく、俺等、大人になっても一緒だ。


ずーっと、


ずーっとさ。



いつかこの家を出て、二人で幸せに、のーんびり暮らそうな。

俺等、ずーっとずっとずっと一緒だぞ。








―――…俺、那智とどんな幸せを願ってたんだっけ?


普通の幸せを願ってたっけ?

他の家庭と同じ幸せな暮らしを願ってたんだっけ?



あれ…、幸せってなんだっけ?



ま、いっか。

俺は那智と終わりを迎えるその日まで生きられたら…、それでしあわせだ。



⇒07