復讐達成、俺等は新たな生活を見つけて、ハッピーエンド。



なんだろうか。


ハッピーエンド、なんだろうな。



ちっとも満たされない気持ちでいるけど、これで良かったんだろうな。


一つのエンドを迎えるまでに、俺等は色んなものを捨ててきた。


普通の生活、普通の感情、普通の喜び、普通の幸せ、普通の関係。


母親を優一を殺した。
福島って半家族を、他者を不幸にした。

父親を追い詰め、地獄に落とす計画を企てた。




“普通”を捨ててまで、俺等はこのエンドを手にした。



ハッピーじゃないとカッコ悪いじゃねえか。




けど―…、俺等、こんな未来を望んでいただろうか?



俺等、最初は皆と同じ、普通の暮らしと幸せを望んでいた筈だったんだけどな。




俺は那智と遠いとおい昔に交わした約束を、魔法の呪文を思い出していた。