言葉を選びながら、おれにそう言ってくる大道先生に便乗するように三好先生が相槌。

「笑うことは良いことよ」

なんて言ってくるもんだから、居た堪れなくなった。

おれだって笑うこと、あるよ。
ただ学校じゃ笑える要素が無いだけで…、ちゃんと笑えるんだ。

どうしよう、なんて先生達に返せばいいんだろう…。


「いやぁ、那智って俺の話を何でもおかしそうに聞いてくれたから話し甲斐があった。大抵白けるんだぜ?」


助け舟を出してくれるのは宮野くん。

おれは嘘だと反応を返す。


「…宮野くん…おもしろ…かったよ…?」


「那智がそー言ってくれて俺は救われる。
友達曰く俺の話は大袈裟でクダラナイらしい。ひでぇよな。俺のトークを何だと思ってるんだ。

てか、那智、徹平でいいって言ったじゃんかよ」


「ぅぅ…だって…」

「俺は宮野じゃなくて徹平。決定事項なんだぜこれ!」


強引だけど、常におれを笑わせようとしてくれる宮野くん、じゃない、徹平くんにおれはまた一笑。

今日はよく笑う日だ。

おれ達を微笑ましそうに見ていた大道先生は、「今日は昼までいてみないか?」午後まで保健室にいてくれないかと提案。

宮野も具合が悪いみたいだから午後まで保健室にいるだろうし、折角だから一緒に昼食を取ってみないか。
 
 
そう言ってくる大道先生に、三好先生も頷く。


徹平くんとなら一緒にご飯、食べれそう…。


ちょっとだけ彼と一緒に食べてもみたいし…、

もっとお話聞いてみたいし…、


話してもみたい…な…。


初めて同級生と接して楽しいって思ったし…。







……楽しい?







おれは青褪めた。