「そういう顔してる」 千里が冗談で言うと、中村はニヤリと笑ったが近藤は少しムッとした顔をして二階への階段を登って行った。階段を登りながら千里が言った「私も昔図書館には行ってたけど中村君ほど覚えてない」「まぁ僕の場合この図書館でかくれんぼしたり冒険的な事をしたから覚えているだけだけどね」中村がそう話していると急に先頭を歩いていた近藤が声を小さくして言った「二人とも静かにしろ」「どうしたの?」「向こうの扉から物音が聞こえた誰かいるかも知れない」そう近藤が言った直後映画を見る方の入口の扉があいた。