このままずっと仕事が続けられたらと思っていた。やっと仕事もプライベートも充実し始めたのに。

『佑君を選ぶか、仕事を選ぶか決められない。』

私は、再び叫んだ。

『でも、木村さんもわかっていると思うけど、退職の話って例外除いて、一年前に上司に言うのが常識らしいよ。特に寿とかは。』

『そんなもんなの。』

『そんなもんだよ。だから、夏帆も来年の夏まで働くからね。』

本当は今すぐでも、一緒に連れて行きたいと言った。

『それが本音だよね。』

あさみが言った。