あたしの気持ち
知らないんだから当たり前。


そう思っていても
やっぱり悲しいもんは
悲しいよ。



「だから、やめる」











「それは、チョコを渡すのをやめるの?
それとも拓也を想うのをやめるの?」


「え?」


拓也を想うのをやめる?
それって好きじゃなくなるってこと?


「どっちなの?」


どっちっていったって…
あたしは…


「好きなのはやめない、
でもチョコを渡すのはやめる。

そんなんだといつまでたっても
片思いだよ」


あたしの心を読んだかかのように
梓が冷たく言った。