「そういえばさぁ~今日数学テストだったよね!!」



いつもなら……
いつもならこういう話題になると拓也は
『俺、全然やってきてねぇよ』
って笑いながらいうんだ。

でも今日は違った。


「拓也?」


何も言わない拓也。

おそるおそる顔を覗き込む。




―――バシッ




「え……?」



差し伸べた手を、
払いのけられた。









「いらねぇよ、そんなまずそうなチョコなんて」


今まで見たことないような
冷たい目をして、
あたしの前から去って行った。