その質問にその人は答えてくれなかった。 ただ微笑んだだけ。 それだけで保健室から出て行ってしまい、あたしはその閉められたドアを見つめていた。 その日、あたしは腹痛が治まることがなく、早退。 頭の中は今日あたしを助けてくれた男の人でいっぱいだった。 誰なんだろう。 名前は? 背、高かったから先輩? お礼、もう一回言いたいな。 そんなことばかりで、それ以外、考える事ができなかった。