目をとじていたさきの唇が苦しそうに開いて、(拒まれてもやめないから)と小さな決意を固めたのに、消え入りそうに小さな声が吐息に混じって



「とうま……好き……」



と告げる声が聞こえた




胸がこみ上げる




おんなじ気持ちだという安心感

熱が集中する


なんだ、ガマンする必要ない……


傷だらけの体と心で一生懸命俺を受け入れようとするさきが愛しくて

焦る気持ちを抑えるのに精一杯だった





俺にしがみつく指も

たまに確認するように薄く開く目も

上気した頬も

俺を誘う唇も

喘ぐ声も






こんなかわいい女をどうすればあんなアザがつくほど殴れるんだ


もうどこにもやりたくない


やっと手に入れた


ほかの事なんか目に入らなくて

頭から吹っ飛んでて

目の前のさきを俺のモノにした現実に陶酔した


心だけじゃなくて、体ごともってかれそう


彼女の熱に捕らわれて溶かされそうになる



やば……知れば知るほど余計余裕なくなる