その途端人影が現れた


やっぱり……


堀内まことが出てきて俺とは反対の方向へと向かって歩いていく


俺は一瞬足をとめた

一人で出てきた

心臓が不穏な気配を感じて跳ね上がるのを感じる

ゆっくりと進みながら

さきちゃんが出てくることを祈った

無事な姿で

どこも傷つかず





……無事でいて欲しい




一歩一歩近づいていくけど、控え室から誰かが出てくる気配はない

もしかしたらさきちゃんははなからそこにいないかもしれない



ギシギシと鳴るドアを開いて一歩踏み入った





さきちゃん……