彼がはじかれたように突然顔をあげて、アタシのわきの下に手を入れて一緒に立ち上がると、近くにあったテーブルにアタシを座らせた

スカートをたぐりよせるように太ももの上までまくりあげて、アタシの足の間に自分の体を割り込ませる


「もう一回言って」


思いがけずそう請われた


アタシは首を振る

言えないよ……


「言って」

そう言うと、アタシの片足を抱えて、アタシの頑なな心を開かせるように押し入ってきた

のどから勝手に声が絞り出される



「…あ……好き…」

「ん?」

意地悪く、聞こえないフリをされて


「好き……とうまが……す、き…」


「俺も好き



さき……」


深く、体をゆすられて


アタシはとうまの首に腕をまわして、全身で彼を受け止めた




重ねた肌から憎しみをぶつけられた事はあっても

想いをそそがれた事はなくって

気持ちは満たされていくのに、体は壊れていく



「とうま」
「さき」



同時に名前をよびあった瞬間、とうまがいっそう強くアタシを抱きしめた