久々に感じた人の温かさ

そこには安らぎがあって、身震いするように体を揺らした途端、震えがとまらなくなった

さっきの出来事がよみがえるように出てくる


「こわかっ・・・こわかった・・・・・・」

「うん」

怖かった

顔の傷が治らなかったらどうしよう、骨が折れたらどうしよう・・・

「ずっと、怖かったの」

「うん」

ずっと、ずっと、アタシを苦しめ続けるこの恐怖

顔をあげると、指で涙を拭う

その手はとうまくんが指を絡めて奪っていった




「さき」




ものすごく優しい声で名前を呼ばれて、自分の名前を好きになる

また涙が出て



「さき」



アタシは涙目でとうまくんの顔を見上げた

「もう、アイツと二人になるな」

つながれていた手が離れていくと、両手で髪を撫でられて、顔を挟まれた





「守ってやる」