抱きしめる腕に更に力を入れると、わざと咳き込む声


「わかった

わかったから

ちょっと

……苦しい」



体を起こすと、とうまを見上げた

トンと背中を壁に預けて優しい目でアタシを見下ろしてて

またふわりと目にかかってる前髪をよけてあげると、そのまま指先でとうまの頬をなぞった

自然にうるおった唇も

髪が流れる首筋も

かすかに上下する喉も



とうまの胸元まで下げていた目線を再び上げると



同じように視線をあげたとうまと目が合って



息が詰まった