彼のやわらかい唇がアタシの唇に重なって

まばたきをした


目をあけると、アタシの顔を覗き込んでるから前髪が目にふんわりとかかってて

右手でそれをはらってあげた


「優しくしてくれて


ありがとう」



思いのほか、とうまくんが笑う




「女の子には優しくするんだよ

子供ん時から親にそう教えられた」




それでもね、

それでもアタシはそんなとうまの優しさに救われたんだもん