アタシはここに来たくて仕方なくて

とうまの腕の中で甘やかされたくて

そこに居たくて居たくて


飛んでなんか行かないよ



腕の力がゆるまって

両手がアタシの頭を滑って

指を髪にさしいれるように顔を固定されると

おでことおでこがくっついた


ピントのあわない近距離でアタシは彼の顔を見つめる


「アタシに…気づいてくれて


ありがとう」



頬と頬がくっついた


ぬくもりが伝わってくる



「アタシを…助けてくれて


ありがとう」