誘われるように寄っていくと、とうまの斜め前

ベッドの端っこに小さく腰掛ける






「届かないし」






ってとうまが体を起こしてちょっと笑うと、長い腕が伸びてきた



「なんでそんなに控えめなわけ?」



そう言うとアタシを引き寄せて、顔がとうまの首に近づいた

首に沿うように流れる髪が鼻先をかすめて、石鹸の香り



いつも彼からは石鹸の香りがしていた



図書館の強烈な紙の匂いの中で抱き寄せられた時に感じた

駅でまことの友達から隠してもらった時に感じた

講堂の控え室でキスした時に感じた