ベンチに座ると、遅れてもう一人公園に入ってくる影が見えた



ゲッチューだったんだ、さっきとうまの後ろに立ってたのは



「なんかあったかい飲み物でも買うよ」


そう言ってとうまは自動販売機へと向かう

入れ違うようにゲッチューがベンチに寄って来て少し距離を置いて立ち止まって




座らないから、不安げに彼の方を見上げる




今日のお昼にも見た自信のあふれる態度

感情を隠すポーカーフェイス



アタシが再び地面に視線を落とすと、それを追いかけるように彼が目の前にしゃがみこんだ


アタシは口を開く


「………話しかけた??」



「いや、近くまで行って自転車取り出す振りしたら勝手に男がどっか行った」



良かった



「あんたの事、思い出して……」




アタシの経験、変な役の立ち方



でも、なんか、良かった