「さきっ!」 突然名前を呼ばれて両肩をつかまれた 反動で膝が地面につく 「さき、どうした??」 とうまの、声 少し目を上げるととうまの体で視界が覆われる にじむ姿に何度も咳き込みすぎて苦しさで涙目になっていたことがわかる 片手で胸をおさえて 反対の手で震えながら背後の駐輪場を指差した 少し斜めに顔をうごかせば、とうまの背後に誰かが立っているのがみえて、その足が駐輪場へと向かって行く