体に感じる恭夜の重みが、
グッと増した。
それと同時に感じる、熱い
肌の感触。
――恭夜の掌が、いつの
まにかあたしの背中に
じかに触れてる。
「―――――!!」
声を出したいけど、全部
恭夜のキスに奪われて
もうそれもかなわない。
「聖奈――オマエの体に
教えてやる。
オマエがオレから、
離れられないってこと。
――その意味も、感覚もな」
_
「イヤッ……。
恭……夜………!!」
イヤだ。
違う。
こんなのが、あたしの
求めてたことなんかじゃない。
あたしが、求めてたのは。
あたしが、
欲しかったのは………。
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―――それを彼に伝える
すべを、あたしは知らなくて。
あたしはただ、
彼の手によって生み
出される波に、なすすべも
なく翻弄されていくしか
なかった――……。
☆☆☆☆☆
_
☆☆☆☆☆
――どうしてだよ。
どうして、そんな辛そうな
顔をする?
小刻みに震える体を抱き
ながら、オレは心の中で
そう叫んでいた。
オレを拒む声も出せず、
押しのける力もなく。
なすすべなく翻弄され
ながらも、聖奈はずっと
目を閉じ、悲しみに満ちた
顔をしている。
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……こんな顔が
見たいんじゃない。
少しでもその表情が
消えればいいと思って、
何度も何度も、優しくその
肌を撫で、キスを落とした。
その度に、聖奈の透き通る
ように白い肌に、赤い
刻印が刻まれていく。
オレの、刻印。
そのシルシで、聖奈を
完全にオレの傍につなぎ
止められればいいのに。
_
「オマエはただ――黙って
オレの隣にいればいい……」
「んっ……やぁっ………」
囁きながら聖奈の胸に
触れると、ビクンと体が
弓なりに跳ねる。
敏感なのか強張っては
いても、聖奈の体はオレの
愛撫に素直なまでに
反応していた。
表情も、その一瞬だけは
甘さを伴ったものになる。
だから、やめられなかった。
_
――それでいい。
オマエはただ、オレのこと
だけ見て、オレを感じて
さえいれば。
オマエはオレの知る女の
中で、唯一、野心も下心も
なしでオレを見れるヤツなんだ。
オレに気に入られようと
いうミエミエの媚びも
なく、おかしいまでに
庶民の素の感覚で話せる
ヤツなんだ。
だから、そのままで。
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欲にまみれて汚れてない
その瞳で、ただオレを見て……。
オレだけを好きでいれば、
それで――…。
『あのコだって、お前に
とっちゃ替えのきく
とりまきの一人なんだろ?
他の女みたいに』
諒の言った言葉が、胸に
よみがえった。
――諒。
今ならハッキリ答えてやるよ。
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コイツは、違うんだ。
他のドールとも、校門で
オレを待ち構えて群がる
どの女とも。
聖奈は、違う。
オレが選ぶまでは、コイツ
だってたしかにオレに
群がる女の一人だったかも
しれないが、でも、今は。
やたらオドオドしてる
けど、その分無垢で純粋で。
コイツといる時間は、
オレに新鮮な驚きと発見を
与えてくれる。
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